経済格差の新書
僕は格差について興味がありますので,今回はたくさんある書籍の中から僕の読んだ2冊を紹介させていただこうかと思います.
どちらも新書なので,気になった方は是非読んでみてください.
橘木俊詔(2006)『格差社会ー何が問題なのか』岩波新書
サブタイトルにある通り,「何が問題なのか」ということが漠然としている方にお勧めです.
もう10年以上前の本ですが,経済格差を考える際にいくつかの視点を与えてくれる本かと思います.
この本の中で,格差の固定化について触れらています.
ここに非常に詳しく触れているのが,次の本です.
佐藤 俊樹(2000)『不平等社会日本―さよなら総中流』中公新書
名著です.内容は新書にしては難しめです.
金持ちの子は金持ちになり,貧乏人の子は貧乏人になるという社会構造が出来上がってきていることを,この1冊を通して丁寧に示しています.
かつては僕も「努力している人がみな金持ちになる」なら,格差など別に問題ではないと思っていました.「貧乏なのは努力していないからだ」と断じていたからです.
しかし,「努力をしても金持ちになれない人」がいることに気づいてから,考えを改めました.むしろ,「努力をしたのに貧乏になってしまった」人も存在するわけです.
そんなわけで,「頑張ったやつが報われる社会」が来ることを待ち望んでいます.